2018年10月。
父とお酒を酌み交わしていたときの、あの一言がすべての始まりでした。
「このままだと、80歳を迎える前に経済破綻するかもしれない。」
定年退職から2年が経ち、年金だけでは生活が成り立たず、貯金を切り崩す日々。
そんな現実を前に、父がぽつりとつぶやいたのです。
その言葉が、息子である私の心に深く突き刺さりました。
そして、自分の将来に対する漠然とした不安を覚えたのです。
当時、「長生きしたくない」が口癖になっていたことも忘れられません。
父の言葉をきっかけに、私は「お金」について学ぶ決意を固め、金融の勉強会へと足を運びました。
その過程で出会ったのが、海外金融に詳しい方でした。
その出会いが、私の学びを一気に加速させることになります。
2019年1月、世界有数の金融都市・香港を訪れ、現地の金融機関主催の勉強会に参加する機会を得ました。
そこで私が受けた衝撃は、想像を超えるものでした。
日本と海外――同じ「金融」でも、常識はまったく異なっていたのです。
金融リテラシーや資産形成に対する考え方、教育水準、そして人々の姿勢。
日本がいかに「金融教育の後進国」であるかを思い知らされました。
帰国後、学んだ知識を活かして自分自身の資産管理を始め、将来に対する不安は徐々に消えていきました。
けれど、ふと周りを見渡すと、かつての私と同じような不安を抱える人たちばかり。
「なぜ、これほど大切なことが、誰にも教えられてこなかったのだろう?」
そう思った瞬間、個人の学びが“使命”に変わりました。
2019年3月21日。
「マネーヘルス®」という商標のもと、金融教育と伴走型アドバイスを軸とした事業をスタートしました。
目指したのは、「お金の健康寿命」を延ばすこと。
ただ長生きするのではなく、お金の不安なく、生涯を笑顔で過ごせる人を一人でも増やすことです。
今、私たちは7期目を迎えています。
戦後80年を迎えた日本。
この国に、金融教育という“生きる力”を根づかせ、父のような思いをする人をもう生み出したくない。
そんな想いで、私はこれからも歩み続けます。
2025.5
代表理事澤野義幸
1983年香川県生まれ。研修講師として活動する中、将来への不安を機に金融を学ぶ。香港で世界水準の金融情報に触れ、日本とのリテラシー格差を痛感。2019年に金融教育事業を創業し、現在は個人・法人向けに教育と金融ソリューションを提供している。
